自作電子小物/電圧計付きDC電源
自作電子小物/電圧計付きDC電源
Volt meter with power supply and PIC programmer
2006年1月21日土曜日
可変安定化電源装置の電圧表示器をマイコンで製作したものです。ハードウエアはMicrochip社のPIC16F819とLCDモジュールの簡単なもので、ソフトウエアはアセンブラにてコーディングしました。紹介する程でもありませんし、こんな苦労しなくとも、LCDモジュールの値段でデジタルパネルメータが買えますので、単純に考えれば、作る意義は薄いでしょう。
写真では場違いな部品が載っていますが、机上スペースの関係で、一つのケースに色々な機能を詰め込んだせいです。具体的には、秋月電子通商のPICプログラマを合体し、ACアダプタの電源を共用する事で設置場所と使用コンセントを節約する作戦です。
<仕様>
名称:電圧表示器
分類:パネルメータ
電源:DC+5V
表示:
種別:バックライト付きキャラクタ型LCD
項目:ACアダプタ電圧、可変安定化電源の出力電圧
電圧範囲:0〜20V
精度:2+1/2桁(小数点2桁目以下は有効な数字ではない)
更新頻度: 約4回/秒
<回路図>
回路図を書く程でもないので、メモ用紙を張り付けさせてもらいます。電源関係は流用しますので、PICとLCDモジュール、電圧測定用の分圧抵抗があるだけです。分圧は3:1で1/4にしていますので最大20Vまでという事になります。PICのピンの殆どはLCDへ接続されます。これは、LCDを8ビットモードで使ったためです。4ビットモードを使えば4本空きますが、今回は余るぐらいなのでこのままにしました。
PICは部品箱にあるA/Dコンバータのついた物から選定しただけです。必ずしもPIC16F819である必要はありません。もっと安いやつでOKです。
+5V電源はPICプログラマ基板上のシリーズレギュレータの出力から線を引き出し流用します。私が購入した基板上に乗っているレギュレータの容量には余裕があったため、このようにしました。ACアダプタの電源容量も同様の考えです。
<ソフトウエア>
A/Dコンバータとキャラクタ型のLCDの制御、および16bit四則演算ライブラリを使用をしています。ライブラリはMicrochip社が提供しているもので、アセンブラで乗算・除算が必要な場合、必要になります。LCDモジュール制御はツールで自動生成できるそうですが、初めて使ったので勉強と言う事でベタでコード化しました。プログラムは非常に単純なので、他の新しい小物を作る時のひな形になると思います。約1kステップ
ソースファイル DMM01.asm
A/D測定値にはオフセット/ゲインエラーありましたので実測して補正をかけています。個体差があると思いますので、作製後は補正作業が必要です。やはり、Vdd/Vss付近はどうにもなりません。
<ダウンロード>
一応、ソースコードを掲載します。
MPLAB IDE プロジェクトファイル : DMM01.zip (72KB)
Microchip社のサイトから「四則演算ライブラリ」をダウンロード、MPLABにインストールする必要があります。
詳しくはアプリケーションノートAN617を参照して下さい。
<基板上面>
ほとんど部品らしい部品はありません。分圧抵抗は丁度いいものが無かったので、金帯10KΩを直列して使いましたが、精度上よろしくありません。でもテスターで抵抗値を見ると意外と正確でした。
左のコネクタはLCD接続用。
<基板下面>
スパゲティー状態。やっぱり4ビットモードを使うべきでした。そう言えばシリアルインターフェースのキャラクタLCDモジュールはあまり見た事がない。最近のマイコン事情からするとI2C or SPIインターフェースが楽だと思うが。
<ケース実装>
側面は透明になっているので、LCDモジュールの表示面を両面テープで固定。そのコネクタに基板を取付。特に固定せず。
<ケース実装2>
PICプログラマ基板を取付けた状態。これに天板を取付け完成です。
<動作確認>
このLCDモジュールのバックライト色は好ましく感じます。でも、昔デジタルクロックを作った時の感動が大きかったせいか、赤色の7セグメントLEDの方が好きなのですが。
<関連>
富樫 豊彦 tog001@nifty.com