「PC20 logger mini」は、三和電気計器株式会社のDMM（デジタルマルチメーター）PC20で測定したデータを、Macに表示・収集するフリーソフトウエアと自作USBアダプタです。SANWAからはWindows用のソフトウエアが提供されていますが、Mac用が無かった事もあり最低限の機能に絞り作ってみました。 MacとPC20を接続するためのアダプタが別途必要ですが、USBシリアル変換モジュールと、たった2個の部品の超単純な回路なので、2000円もあれば簡単に自作できます。同時複数計測が行えるよう、多チャネル対応しています。

＜属性＞

名称: PC20 logger mini

分類: DMM測定値記録器（PCオンライン型）

バージョン: 0.1a

リリース日: 2009.1.15, 2012.1.20

動作OS: Mac OS X 10.4以降

動作機種: PPC/Intel, PC20用USBアダプタ(一番下参照)

ライセンス: フリーソフトウエア(GPL v3)

作成者: 富樫豊彦 tog001@nifty.com

＜機能／特徴＞

■１ウインドウ４台まで同時にデータ収集（別ログファイルで良ければ台数に制約なし）

■PC20には無いゲージを表示

■１秒、１０秒、１分、１０分単位でサンプリング

■収集データはタイムスタンプ付きCSV形式

■１０分毎にログファイルを自動保存

■短時間の収集に最適です。即、表計算ソフトなどに取り込めデータ分析にかかれます。

注意事項: 本プログラムは 三和電気計器株式会社様とは全く関係がありません。ご迷惑を掛けてしまいますので、問合せなど絶対しないで下さい。重要な事を行うパソコンでは使わないで下さい。長時間動作させる場合には、スリープしないようにコントロールパネルで設定変更して下さい。スリープしてしまうと、データが収集されませんし、復帰後シャットダウン出来なくなる等の動作不安定になります。たぶん、USBブリッジにSilicon Laboratories CP2102を使った場合だけかもしれません。

＜USBアダプタ＞

自作する必要がありますが、USB-UART変換＋フォトトランジスタ＋抵抗１本で簡単に作れます。秋月電子通商のAE-UM232Rやマルツパーツ館のCPA02、MFT232RL等のモジュール基板を利用すれば、ハンダ付け数カ所で完成です。SANWAの光リンクケーブルKB-USB1は使用出来ないようです。

シリアルデータは2400bpsの1ストップビットのごく一般的な形式なようでしたので、シリアルポートのあるPCなら赤外線→電気信号換直回路を付ければ接読ませる事も可能なのですが、最近のMacの場合シリアルポートは付いていません。そのため、シリアル→USB変換機能が必要です。この機能は専用ICが何種類か出ていますので、簡単に実現できますし、扱い易い様にモジュール基板のものが安価で入手可能です。今回は、このシリアルUSB変換モジュール基板を利用しました。もちろん、マイコンで実現しても良いでしょう。

（2012.1.20追加：通信仕様はsanwa社ホームページで公開されたようです。よくあるご質問（技術）→No.19→参考URLでPDFがダウンロード出来ます。）

USBアダプタは、結局3つ程試作しました。

タカチの小さいプラケースに、マルツのシリアルUSB変換モジュール基板のCPA02とUSBタイプBソケット、フォトトランジスタを入れ、エポキシ接着剤で固めて固定した物です。上面の穴は1つがフォトトランジスタの窓、もう一つはPC20へ固定するネジ穴です。

前と同じタカチのケースに、今度は秋月のAE-UM232Rを組込んだ物です。USBコネクタを別途用意しなくとも良いので、さらに簡単です。PC20との固定は、ふた側で行うようにしました。

マルツのCPA02はとにかく小さいので、薄型の物も作ってみました。PC20の背面の窪みにすっぽり収まるので、全く邪魔になりません。この形態が一番使い勝手が良いと思います。USBはケーブル直出しなのはご愛嬌。安く済むのです。

とにかく一定時間毎にDMMの数値をメモっていく作業から解放されたかったので、このPC20を購入していたのですが、純正のWindows用ソフトウエアは私にとっては高価です。フリーソフトウエアも無くして(見失う)しまっていたので、当面ひも付き(USB)でもいいからと方向を改め、Macで実現という事になった次第です。

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富樫 豊彦 tog001@nifty.com